第7章 プラトニックなの
木兎の着替えを待って、ロッカールームを出る。ふたり連れたって下校するのは久々だ。俺ら電車反対方向だし。
「それで、何があった」
学校の裏門を出てすぐのコンビニで炭酸飲料を買って、おもむろに聞いてみた。
しかし、肝心の木兎はと言うと、さっきから黙りこくって俯いたまま。こいつがこんなに汐らしいと、こっちの調子が狂っちまう。
「オイって、何があったのか聞」
いつになくシュンとした木兎の顔を覗きこんで、思わず閉口した。
え、なに。こいつもしかして、ちょっと涙目になってねえか。
「…………ぼくと?」
そっと、そっと。
まるで小さなガキに言うみたいに問う。
「どうした。言ってみ?」
すると、やっと口を開いた木兎が、なんとも頼りなさげな声音で悩みを打ち明けた。