• テキストサイズ

(HQ) プラトニック・ラブ

第6章 こころの境界線



 どうしてこんなにも固執するのか、もう、自分でも分からなくなってる。

 でも、それでも、どうしても許せなかった。木兎さんが恋愛沙汰を避けていた理由は、バレーに集中するためでもなんでもなく、妹のため。

 だからだったのか。
 次々と合点がいく。

 彼が不調のとき、どうしてそんなに調子が出ないのか、理由が分からない日があった。


『あいつ、意味わかんねェとこで
自滅したりするかんなァ……』


 そうぼやくのが俺たち梟谷排球部の癖だけど、そんなの、自滅でも何でもない。

 こいつだ。妹だ。

 観客席で妹がナンパされれば、それを見た彼は調子が下がる。妹が試合を観に来れない日。妹と喧嘩をしてしまった日。

 全部、全部、全部。

「アンタのせいだったんだ」

 心底思う。くだらない。

/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp