第4章 変わってしまった
校内は絶賛お昼ごはんタイム。
行き交う生徒の間を縫うようにして、赤葦は廊下を進んでいた。
拒絶する暇すら与えてもらえずに拉致られた私。右手にはシャーペンを握ったまま、左手を赤葦に引っ張られる。
「ちょ、待っ、一体なに?」
いくら聞いても彼は答えない。
それに、なかなかに高身長で歩幅も広いもんだから、小走りしても追いつけないのだ。彼は普通に歩いてるように見えるのに。
なんなんだ、何だこの状況。
まったくをもって状況が把握できないし、ていうかノートまだ写しかけだったのに!
「ちょっと、ねえ、赤葦!」
いい加減にしてよ!
とか、なんとか。
そんな風に苛立ちをぶつけようとしたが、彼が急に立ち止まったので、その背中に突っ伏して変な声がでた。
「おぶっ」
厄日だ。