第4章 変わってしまった
ある意味、鮮烈な出会いだった。
バレー部員。兄の後輩。
そんな認識でしかなかった男子を、一気に【変なやつ】として見るようになったのだから。
学年が上がって、二年生の今。
なにかの悪縁なのか。
ある種の呪いなのか。
苦手とすら感じる赤葦京治と、私はまたも同じクラスに配属されていた。
「ちょっと付き合ってくれる?」
おはなしは現在進行形。
四限終了のチャイムと同時に、赤葦に声をかけられる。
私は板書の残りをもそもそと書いていたのだが、その突拍子もないセリフに、つい手を止めてしまった。
「へ? え、どこ行くの?」
「いいから。来て」
問いたげに首を傾げる私。
訳を告げようとしない彼。
どういう意図があるのか全くわからないけれども、赤葦は、私の腕を掴んで教室を飛び出したのだ。