• テキストサイズ

(HQ) プラトニック・ラブ

第4章 変わってしまった



 彼はさも興味なさげに言い捨てた。

 お弁当の玉子焼きに齧りつこうとしていた私を、温度のない目で一瞥して、こう言い捨てたのだ。


『木兎さんって、妹、いたんだ』


 赤葦京治。第一声がこれだ。

 高校生活初の夏休みを終えて、長い二学期のはじまりを迎えた、昨年九月のことである。

 冗談でもなんでもなく奴は、赤葦は、その日初めて私を知ったという顔をした。


『……同じクラスなのに?』

『ああ、うん。今気付いた』


 嘘だろマジか何この人。
 これが、私の、赤葦京治に対する第一印象。

/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp