第3章 好きなのにね
俺は、妹に恋してる。
それがいけないことだなんて、バカでガキだった俺には、到底分かるはずもなくて。
気付いたときには、惹かれてた。
どうしようもなく、好きだった。
俺たちは血が繋がってない。
高校三年生になった今、その事実が余計に気持ちを加速させる。
「……もう元気出た?」
「うーんもうちょっと」
強く抱けば壊れてしまいそうな、柔らかくて細い、妹の身体。
こいつは知ってるんだろうか。
あと1センチでも距離が縮まってしまえば、俺の、情けない欲がバレてしまうこと。
「……かおり、いい匂い」
このまま押し倒してしまいたい。でも、そんなことしちゃいけない。本能と理性の狭間で悶々としながら、何食わぬ顔で妹を抱きしめた。
限界なんてとっくに過ぎてる。
もう、自分でも訳分かんねえ。