第3章 好きなのにね
妹から渡された手紙には、やたらキラキラした女子のプリクラが入ってた。
全然見たことない顔だけど梟谷(うち)の制服着てるし、ああ、名札の色──
「この子たち一年生か」
手紙とプリクラに目を落として、ぼんやりと呟く。
すると、俺の膝の間にすっぽり収まっていた妹が、怖い顔をして振り向いた。
「光太郎にはね、とてもじゃないけど近付けないんだって。まるでスーパースターみたいデスネ」
ああ、くそ、マジ可愛い。
この拗ねた顔が見たいから、俺は、手紙やら何やらを断らないんだ。我ながらスゲー歪んでると思うけど。
だけど、かおりの気持ちをこうして確かめられるなら、俺は何度だってやるよ。
「お、なんだヤキモチか?
かーわいいーかおり大好き」
「うるさいバカ」
ちょっと怒ったような声で言って、それから、桜色のほっぺたを膨らます。
なんてかわいくて。
なんて、愛おしい。
俺の、──大好きなひと。