• テキストサイズ

虹と君

第7章 いけないきみ








「 遅くまでお邪魔しました 」






玄関に向かって
歩き始める。
その後ろ姿に
どうしようもない思いが募る。

ピタッと足を止めて
大きく深呼吸をする。
何かを押し殺すように。
やっぱり何かに違和感を感じる。






「 元気でね、和くん 」






は振り向いてそう囁いた。
今にも崩れそうな表情で。






「 二度と会えない訳じゃないんだし。
そんな暗くなるなって 」

「 人生なんて分かんないよ?
明日が最後かもしれないし...
ちゃんと伝えたいことは
伝えとかないと 」






妙に納得させられる。
そんな彼女の言葉を
過去の自分に
言い聞かせてやりたかった。
何もかも伝えられてない。
好きだとも、大切なものだとも。

そうやって
今と過去で葛藤しているときに
の行動で今に呼び戻された。






「 ...っ 」






重なるの唇と体。
ダメだって分かってるのに
の行動に胸が高鳴った。






「 ... こんなことしていいの?」






隠すように顔を
私の胸に埋める。
何よ あなた
いつから小悪魔になったの?






「 海外に行ったら
ハグなんて普通のことだもん 」

「 キスは普通じゃないでしょ?」






わざとを
困らせるようなことを言った。
これは結婚式の日の
私に対する戒め?






「 普通じゃない... 」






涙が溜まったその瞳に
下からぐっと見上げられる。
そんなことされたら
止まらないでしょうが。






「 ごめん... 」






どんどん近づいてくる
の表情は
あまりにも悲しそうで
あまりにも愛おしかった。

なんでそんなに悲しそうなの?

を苦しめるだけだって。
ダメだって分かってるのに。
理性も無くなりかけた私には
自分の都合しか残ってなかった。






「 ... 」






そこから先は裏の時間。
の首元を後ろから掴み
自分の顔に近づけた。
ぶつけるように
思いを重ね合わせ続けた。




さっきまでふたりの幸せを
願ってたっていうのに。







/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp