第10章 遠くに掛かる虹
の笑顔で画面は止まった。
それで良かった。
それで良いはずなんだ。
の涙なんて見たくないから。
それなのにざわつきを感じるのは
まだ受け入れられてないから?
あまりにも急すぎるから?
こんなもんじゃ納得いかないほど
俺の心はわがままなの?
これだけ...?なんて思う自分がいた。
これが本当に最後の言葉?って。
これがの本心?って。
量とかそんな問題じゃなくて
が何にも触れなかったこと。
記憶が戻ったことに対して。
まだ何かあるはずなのに。
言いたいことがあるはずなのに。
全部私の勘違いなの?
記憶が戻ったっていうのは
ただの私の勘違い?
でも、そんなはずはない。
和くんって呼んだのだって、
家の場所を知ってたのだって、
あんな悲しそうな顔をしたのだって、
全部記憶が戻ってないと...
「 なんで何も話さねえんだよ... 」
何も言わないまま死んでったの?
ずっと隠しとくつもりだったの?
もっと責めてくれてよかったのに。
もっと嫌ってくれてよかったのに。
なんでこんな俺にあんな笑顔で...
いったいどうしていけばいいの?
どんな気持ちで葬式に行けば良いの?
にとって俺は何だったの?
いっそのこと「最低」って
言ってほしかった...
このままじゃずっと迷い続けたまま。
『 違う......... 本当は........
もっと伝えなきゃいけないことがあるの.... 』
沈黙の中から、の悲しげな声が聞こえた。