第5章 初めて会ったきみ
潤くんと話してる間に
彼女の姿を見失っていて
彼女の行った方向を追いかけた。
「 どこっ... 」
頭の中は彼女のことばっかりで
夢中に走った。
何よりも早くあの素敵な
笑顔に会いたくて。
「 すいませんっ 」
イルミネーションパレードの
観客の人混みをかき分けて急いだ。
怒る観客の声は気にしてられない。
パレードだって目に入らない。
何よりも早く君に会いたくて。
「 はぁ... まだ何もっ... 」
伝えられてないのに。
もっと早く言っときゃよかった。
グズグズしてた自分に腹が立つ。
このままじゃ終われない。
好きだって伝えさせてよ。
「 サンタさん、大丈夫ですか?」
立ち止まって息を整えていると
聞こえたのは紛れもなく
「 さん...!」
「 えっ?二宮さん!」
目の前に突然現れた
サンタのような彼女を
グイッと胸に引き寄せた。
ずっとこうしたかった。
「 はぁ...はぁ... 」
息切れする呼吸を整えて
じっと彼女の瞳を見つめた。
「 ずっと前から好きでした。
引っ越して遠くに行ったとしても
その気持ちは変わらないから
だから、私と付き合ってください 」
やっと伝えられた。
固まっているような彼女の耳元で
ベタな告白を囁いた。
彼女は驚きの表情で上を向く。
「 えっ...?」
彼女は目に涙を溜めて
とても悲しそうな表情をする。
それは好きじゃないから?
それとも引っ越してしまうから?
「 ... わたしも二宮さんのことが
いつの間にか好きになってて...
だけど引っ越すこと、どうして
言ってくれなかったんですか!」
突然大声を出すさんに
俺は唖然として口を開いたまま。
「 は...?え? 何?
こっちのセリフなんですが 」
「 こっちのセリフ...?え?
わたし引っ越したりなんてしません 」
頭が整理できてないんだけど。
さんは引っ越さない。
俺も引っ越さない。
じゃあ、誰が引っ越す...
「 潤くんそう言ってたし
スーツケースだって... 」