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虹と君

第4章 変わらない君









「 脳の一部が損傷した場合
記憶喪失になるケースがあります。
事故の衝撃が影響を及ぼしたのかと... 」

「 記憶は... 記憶は戻るんですか...?」






先生は頷くことも
否定することもなかった。
それが不安を余計に掻き立てる。






「 記憶喪失には
人それぞれありまして。
すぐに記憶が戻る方もいれば
記憶に関係するものを
見たときに思い出す方もいます。
それに戻らない場合も...
ただ、さんの場合
一部だけ記憶喪失のようですが... 」


「 一部...?」


「 事故後のことをお話したとき
お友達の相葉さんのことは
覚えていらっしゃいました。
友人の方のお話もされていましたし。
ご家族の方の記憶もあります。
一番大きな記憶だったあなたの記憶が
無くなったのかもしれません... 」






なんでそのほんの一部が私なわけ?
他に何でもよかったじゃん
なんて思う自分は自分勝手?
神様ってなんでこんなに残酷なの?

いや... 残酷なのは自分だった。
こうなったのは私のせいなのに。
そのバチが当たったんだと思った。
は一番嫌だった
私の記憶を消したのかもしれない。






「 受け止めきれないのは分かります。
ですが、一番辛いのは本人なんです。
記憶が戻ると信じて
側にいてあげてください 」






先生の言葉なんて
耳に入らなかった。
『 彼氏失格 』
この言葉が頭によぎって
病室には戻らなかった。
どこか違う場所へ
離れるようにその場を去った。







私には彼氏の資格も
側にいる資格も
何もない気がした...






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