第6章 弟と私と弟(仮)
「粟田口包囲網、だと!?」
顕現そうそうに兄である一期一振に捕獲された私は嫌がる素振りを全力でないものとされすがりついていた光忠から無理矢理に引き離された。ろくな抵抗もせずに笑顔で見送っただけの光忠を私は絶対に許さない!!
そしてとある一室へ連れてこられまるで待っていましたと言わんばかりに短刀たちに即座に取り囲まれる。おそらくいや絶対に私の兄弟にあたる少年たちだ。完璧な陣を張っているのを見るにどうしたことか逃げ道なんてそんなもんはないらしい。目から汁が溢れるがこれは涙なんかじゃないんだからね!嘘です泣いてます誰か助けてくだせええええへるぷ!へるぷみー!兄弟限定コミュ障なめんな気絶すっぞ!!
「わあ、本当に花房姉ですか?」
「本人で間違いねえな。大将もさっきそう言ってたし」
「花房姉、はじめてお会いしますね」
「うわあ!本当に女の子なんだあ!!」
「花房姉に会えて嬉しいです」
「ようやくこれで今顕現できる兄妹が揃ったな」
「待っとったばい!花房姉!」
「ふふ、花房姉ってば来るのが遅いんですから」
こんなに皆可愛い見た目なのに何故だろう、全員揃っているだけでとてつもない威圧感を感じます。
「こらこらお前たち、花房はまだ皆の名前すら知らないんだよ。まずは自己紹介を順番にしなさい」
ちょ、おま!今ちょろっと自己紹介されてもこんなにいたら名前と顔を覚えられる自信が私にはないよ!!伊達にいた頃は大倶利伽羅のことも最初よく名前がわかんなくてしばらくクリ坊って呼んでたくらいだよ!?もちろん呼ぶ度に全力で嫌な顔されたから気合で覚えたけどね!!