第5章 応援し隊の第一回会議
隣の審神者さんがそうポツリと聞いた途端、あんなに盛り上がっていた花房ちゃん談義がピタリと止まった。
痛いほどの静寂がこの場を通り過ぎる。
「皆、言うことは一つだな」
「伊達組」
「みんな仲良く」
「爆発しろおおおおお」
やはりか!!やはり伊達組なのか!!!花房ちゃんを妹のように可愛がる私からしてみても伊達組は危ないと思う。
とくに兄貴分の光忠さんなんか距離が近すぎですもんね!!あからさまに花房ちゃんに甘いですもんね!!
「大倶利伽羅が自主的に馴れ合いしてて彼の孤独を心配してた俺はいつの間にか涙で前が見えなかった。もちろん花房ちゃんをとられた悔し涙でな!!」
「鶴丸さんが僕のパソコンで調べものをしてたんです。検索履歴には【恋人 コンプレックス 治し方】完全にできてますどうもありがとうございましたあああ」
「光忠さんが花房ちゃんへお弁当作ってたんですがそのとき言った言葉が「愛妻弁当ならぬ愛夫弁当かな?」うるせええこっちはいつの間に結婚までしてたんだって話だわ!!」
どうやら皆さん溜め込んでいたらしく思い思いに叫ぶなかには泣いている人たちもチラホラといる。
私もそろそろ悔し涙を流す日が近いのかなとそうシュンとしたとき、このカオスな世界をたった一つの質問で作り出した隣の審神者さんが今度はずいっと力強く挙手をした。
「あの、衝撃的な事なんですけど言ってもいいですか?ちょっと一人で消化できなくて」
彼のあまりの真剣な表情に周りはシーンと先程のように静まり返る。
「うちの#name#ちゃん、ある日言いにくそうにやってきてこう言ったんです。
「一期一振とお付き合いすることになりました」
って、死んだ魚の目で。しかも後ろには見たことないくらいに黒い微笑みを浮かべた一期一振がこっちを……」
それから、会場いっぱいに悲鳴が飛び出たのは言うまでもなく、私はあまりの驚きに鶴丸さんじゃないけれどポロッとこれは驚きだ、と声がもれた。
そういやうちの一期さんも#name#ちゃんをときどき……いや、考えるのはよそう。藪から蛇が出てきても私にはどうすることも出来ないのだから。
花房ちゃん、どうか逃げ切ってね。