第5章 応援し隊の第一回会議
花房ちゃんは外見や明るい性格に似合わずコンプレックス持ちだったりする。優秀な兄弟に気後れして一人悩んでるところなんか妙に人間くさくて安心する。そして驚異の神隠し率ゼロパーセント!見習いに寝返り率ゼロパーセント!闇落ち率ゼロパーセント!の超絶癒し。まさに最後の砦。
「花房ちゃんはさ前の主と俺を比べないし、もし比べても俺のことを一番大好きな主だって言ってくれるんだよ。そこがもうたまらん。この前なんか『主が私の名前を名付けてくれたら良かったのに』とか言ってくれて!」
「ああ、わかります。ほとんどの刀剣男士たちはやっぱり前の主が忘れらんないって人たちが大半ですもんね。そして安定の名前コンプレックス(笑)」
「その中で唯一、花房ちゃんだけが今の主が一番だよとか言ってくれて……しかもそれが心からの正直な言葉だとわかるから余計に可愛いんだよね。いつでも安心の名前コンプレックス(笑)」
「花房ちゃんの前の主もけっこう凄い人物だったみたいなのに、僕の刀でいるときが一番誇らしいとか言ってくれるので本当この仕事をして一番報われました。名前コンプレックスは常備ですね(笑)」
第一回目に開かれた会のせいなのか、それとも花房ちゃんの魅力がそうさせるのか会議は初っ端からぶっ飛ばされていた。私自身、周りの審神者さんの話を聞いて胸がきゅんきゅんと震える。そんななか私の横に座っていた青年審神者さんがゆっくりと挙手をする。その顔はどこか強ばっていて何だか変だ。
「ところで皆さんの花房ちゃんは誰かと恋仲にはなったりしましたか?」