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閑話休題?ーNARUTOー

第13章 何故だか自然と甘くなるー鬼鮫ー


「厭な事ありません。どうしたらいいのかいま一つわからないだけで。願わくはその手の理解が深まった頃に行為に及びたいと思っているのです。その方が相手方にも失礼がないでしょう」
「・・・いよいよ本気でシワクチャを抱かせる気ですね?相手方に失礼がないってあなた、失礼が行き場を失って困惑していますよ?」
「あら、可哀想に・・・」
「・・・・牡蠣殻さん。ちょっと黙りましょうか」
「干柿さん。燗が冷めま・・・ぁがッ」
頭の天辺に景気よく頭突きを食らって、牡蠣殻は一瞬気が遠くなった。飛びかけた意識に慌ててしがみつき、左右に頭を振る。
「・・・・・ぉおわ、ちょっと。・・・・今落ちかけましたよ?こんな真似ばかりされていたらシワクチャになる間もなく一足飛びで彼岸行きですよ。はー・・・・きいた。あー・・・痛い・・・」
「落ちたらよかったのに残念ですね」
「そんな残念がありますか・・・」
「そんなに痛かったですか。フ。お気の毒に」
「何て誠意のない仰りよう・・・・」
「おやそうですか?」
牡蠣殻の髷を掴んでグルングルン回しながら、鬼鮫は気のない返事をする。
「いや、ちょ、何を、や、コラ、やめ、やめ、や、や、止めろおォ!!!」
「そう言えばもう一つ忘れていましたねえ。これは思い出しても味気なかった」
髷を放して鬼鮫は口角を上げた。
「この髷。解くとどうなるんです?」
「何でこんな暴走してるんですか、今日のあなたは!バレンタインだから?やっぱりギャルなんですか!?」
「ああ、バレンタインと言えば、ほら、これを預かってますよ」
鬼鮫がおもむろに懐から小さな包みを取り出した。
互いの間に現れた利休茶の包みに、牡蠣殻は目を瞬かせた。
「は?預かった?何ですか、それは?誰が何を預けて来たんです?」
「今朝がた木偶の坊が来たんですよ。彼が現れたと言えば誰からの使いかは想像に難くないでしょう」
「?波平様ですか?」
「そうですね。中身は知りませんが、あなた宛てなのは確かです。日付けが日付けですからチョコじゃないですかね」
「・・・何考えてんだ、あの人も」
「も?誰を含めての"も"ですか?」
「細かいな。他意はありませんよ」
「そうですか。ともあれバレンタインらしくなって良かったですね。嬉しいですか?」
「いやいやいや、私は曲がりなりにも女ですから。この国じゃ今日贈る立場にある者ですよ」
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