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閑話休題?ーNARUTOー

第13章 何故だか自然と甘くなるー鬼鮫ー


「意味深いかどうかは知りませんが、兎に角チョコ・・・・」
「ああ、貰ったんですか?」
「・・・・チョコらしきものを・・・」
「チョコチョコ何です。デカイなりして可愛らしい擬音を口走るのは止めて下さいな。反応に困りますよ」
「・・・・つくづく話を聞かない人ですねえ・・・・」
「着替えます。失礼」
唐突に立ち上がった牡蠣殻がばさばさと夜着と寝間着の小袖を脱ぎ捨てた。と、いっても下は何時もの徳利首と長脚衣、後は常の厚手の袷を羽織って腰に帯代わりの鞄を括ればアッという間にデフォルト牡蠣殻になる。
不意の移動が茶飯事である磯の里人は、就寝時も即動けるように怠りない恰好を崩さない。里を抜けた牡蠣殻も、未だごく自然にその習慣を生かし続けていた。
「・・・・本当にやる事が雑ですねえ・・・」
多少は慣れたとは言え、矢張り目の前で着衣を脱ぎ捨てられてはギョッとする。
鬼鮫は強いて無表情に牡蠣殻から目を反らして眉をひそめた。
「そうなんです。雑なんですよ。直したいのになかなか直らない・・・いや、直し方がわからない?・・・違うな。心掛けが足りないのか。困りものです」
ぴっと襟を引いて牡蠣殻はドアノブに手をかけた。
「失礼します。お手数おかけしましたが、お陰様でこの通り、もう大事ありません。ありがとうございました」
「一体何なんですか、あなた」
呆れた鬼鮫の声を皆まで聞かず、牡蠣殻は部屋を出た。
「いやー、参った・・・全然話になりません」
独り言ちながら冷え込む廊下を大股に歩く。
「矢っ張りやり慣れない事はしない方がいいんですねえ・・・やれやれ・・・」
厨の方へ廊下を曲がり、歩きながら腕を組んで頭を振った牡蠣殻は、次の瞬間ビョッと飛び上がった。
「やり慣れない事って何です?」
「ぅうわ、ビックリした!ほほ干柿さん?何ですか、一体!」
今さっき置き去りにして来た相手に声をかけられて、飛び上がった牡蠣殻の歩みが斜めへよれる。鬼鮫はその腕をとって真っ直ぐにしてやりながら、口角を上げた。
「何って牡蠣殻さん、あそこはあなたが寝起きしている部屋ですよ。あなたが居ないのに私が居る必要ないでしょう。で?厨に何の用です?小腹でも空きましたか?」
「・・・・いや、待たせてしまっているので顔を見に行こうかと・・・顔?いや違うな。・・・顔じゃなくて、様子・・・」
「待たせている?誰をです」


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