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閑話休題?ーNARUTOー

第13章 何故だか自然と甘くなるー鬼鮫ー


「何なんですか、それは。風邪引きというのは勝ち負けが生じるようなものでしたかね?」
「自己管理がなっていないという事は己に負けるという事です。だから、風邪は負けなのです。先生がそう仰っていました。至極最もでしょう?」
「何を言ってるんだか、あなたたち師弟は。それを言ったらあなたなんか何をやっても連戦連敗の華々しい人生を歩んでるじゃないですか。今更風邪に勝つも負けるもありません。深水さんも大概仕様もない事を言いますねえ。しかしまあ、人に伝染す前に治って何よりでしたよ」
「・・・矢っ張り風邪って伝染るモンですかね。どうしても伝染りますか?」
「?何です?認める気になりましたか?負けとやらを」
厚手の夜着を羽織って卓についた牡蠣殻を、鬼鮫は片方の眉を器用に上げて訝しげに見やった。
牡蠣殻は頬杖をついて窓の表を眺め、何やら考え込んでいる。
「いや、まあ勝ち負けなんかはいいとしてですね」
「・・・人に迷惑をかける前に気付いて欲しかったですね」
「ごもっともですね。すいません」
鬼鮫は立ち上がって牡蠣殻の隣に移動した。頬杖をついたまま鬼鮫の動きを目で追った牡蠣殻が、首を捻る。
「あのねえ、干柿さん。貴方初見からどうでも隣に座りっぱなしですがね、正直私は貴方と話すんなら顔を見て話したいんですよ」
「横を向いたらいいでしょう」
「は?」
「横を向いて話しなさい」
「・・・干柿さん、貴方私を斜頸にするおつもりですか・・・」
「体ごと私の方を向けば問題ないでしょう。頭を使いなさい」
「わあ、びっくりした。そこ頭の使いどころですか?要らない頭を使ってたら容量がガンガン減ってあっという間に低速化しますよ、私は」
「低速化ねえ・・・・そう言えばあなた、たまにぼんやりしてぴくりとも動かなくなるときがありますよね。あれは低速化していたんですか。成る程」
「・・・そんな事になってますか、私」
「あなたを思うと減らず口か低速化かというくらいにはぼんやりしてますよ。中身の抜けた状態は半ばあなたのデフォルトのスタイルでしょう?」
「ロクなモンじゃないな・・・」
「今頃気付いたんですか」
「・・・しかしこういう話をしているときの干柿さんは実に生き生きとしていますねえ・・・」
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