第9章 詮無き問答(グダグダ)ー飛段、サソリ、角都ー
「いや、金々腹寺だ。阿闍梨に乾杯」
「・・・何しに来たんだ、角都。マンガの話がしてえならそっちの二人連れてけ。遠慮すんな、飛段も付けてやっから」
「お前達が騒いでいるから様子を見に来たのだ。マンガの話をしに来たのではない。で、禅問答がどうした」
「どうって・・・やってみっかなっつう話になっただけスよ?丁度いいや、長老、見本見せて下さいよ。牡蠣殻さん、什麼生!」
「よぉし!隻手声あり、その音を聴け。角都さん、説破!」
「小銭だな。小銭のなる音だ」
「わあ・・・全然駄目だ・・・」
「俗物だもんなー、長老は。聞いたのが間違いだわ」
「よォっしゃ、次ィオレな、オレ!」
「・・・オメエは禅問答なンかの前にやる事山積みだろうが。何が次オレだ。いっそ優しい気持ちになるわ・・・」
「飛段に優しいサソリ?今正に仏性を見たぞ、俺は」
「そうかよ、良かったな。そのまま出家して涅槃入りしろ。うちのしわくちゃから順番待ちの苦情が出てるぞ、角都」
「苦情は聞くものではない。言うものだ。ごね勝ちクレーマーのやらずぶったくりぶり、諸行無常ながら世の理を感じさせる・・・」
「あはは、金の声でも聴こえますか」
「・・・・!!!」
「・・・得たりみてえな顔してんじゃねえぞ、守銭奴。この上クレーマーなんかになってみろ、手強いオバチャン以外の何者でもなくなるぞ、ジジィ。百年かけてそこに辿り着きたかったのかよ、オメエは。時間の無駄遣いもいい加減にしろ。灰色の男が迎えに来っぞ、コラ」
「サソリさん。犬に仏性は在りや無きや」
「知るか」
「なァ、なァ、なァ、ブッショーてなンだ?ふなっしーか?」
「・・・飛段、オメエはよ・・・プ・・・・・何抜かしやがる?あァ?ブッショー?ふなっしー?・・・・・く・・・クハ・・・ハハハ・・・ブッ、だはははははははッこのバカが・・・ッ、ハハハハハッ、・・・ゲホッ、グハ・・・・ッ、ク・・・グ、おぇ・・・・」
「・・・・落ち着いて下さい、サソリさん。笑い死にますよ?貴方が笑い死になんかした日には私が笑い死にますよ。うわ、最悪だ。止めて下さいよ」
「サソリと牡蠣殻のお笑い心中か。互いに成仏は望めないな」
「ああ?ざけた事抜かすンじゃねえぞじじィ!こいつと死ぬくれェなら俺ァ道端の野良犬と死ぬわ!」
「犬の迷惑考えなさいよ、貴方」