第47章 晩夏の用心棒ーイタチ、鬼鮫、飛段ー
「さあ、どうでしょうね」
鬼鮫が皮肉げに言ったところで遠雷が唸った。
「…ひと雨来るか」
窓辺によったイタチが呟く。鬼鮫は渋い顔をした。
「涼しくなるな」
「蒸しますね」
同時に言って、二人は睨み合った。
仲良しツーマンセルにも限界が近い。
さっさと事態が回収されるか、何かしらの変化が起きるか。どっちもなければ根こそぎ破壊してスッキリ去る。
いい加減骨休みはこりごりだ。
揃いも揃って胡乱な二人組は互いに目を反らして、それぞれ物思いに口を噤んだ。
最愛の弟、懐かしい里。何かとうるさくて煩わしくて仕様もない仲間。それに…口の減らない女。