第35章 海へ来たらば ー暁with黒の教団ー
「成功して良かったな。でなきゃコイツラの寿命が尽きるまで物笑いの種にされるとこだ」
「…薄暗い顔で笑いながらそんな事言われても嬉しかねんだよ…。いい加減ヒルコから出ろって。暑くねぇのか、旦那?」
「傀儡に暑いも寒いもねぇんだって何回言えば、テメェは…」
「いやァ、まあでもホント良かったじゃねえか!俺なんか死なねぇからよ。失敗した日にゃ永遠の笑い話ってんで地球が真っ二つになってみぃんなおっ死ぬまで誰彼構わず言い触らしてやろうかと思ってたからよォ。伝説に成り損ねたなァ、デイダラァ」
「だから何でオメェらはそうちょっと残念そうなんだよ!?伝説上等じゃねえかゾンビパンダ!今の芸術的な花火を後世に伝えろよ!?それくらいしか役に立たねえだろ、オメェのそのいつまで続くかわからねぇ不老不死って迷惑行為はよ!」
「俺迷惑なんかかけてねぇもん」
「居るだけで迷惑なんだよ!しかもそれが終わらねえの!俺が死ぬまで終わんねぇの!オメェが死なねぇから!クソっ腹立つだろ!?どうだ?迷惑だろ!?うん!?」
「何でよ。俺なんか居るだけで皆を幸せにしちゃう神の使徒だぜ?しかもすんげー仕事熱心な使徒だしよ。何なら夏の思い出に祝福してやるかァ?」
「オメェの神様のお告げを一般的に解釈すれば、そりゃ殺してやるって事じゃねえかよ!うん!?ホラ見ろ迷惑だ!そら見ろ迷惑だ!」
「日頃のあなたの爆発行為も大概迷惑ですがねぇ」
「やかましい!オメェの二足直立歩行する非常識な鮫型のバカデカイ体もあるだけで迷惑だ!ピアススタンドみてぇなパラソル好きも鼻セレブの鼻紙も皆迷惑だ!心臓五個もあるケチな爺さんヒジキも家紋みてえな模様の眼球で悪夢をばら撒くブラコンも変な人形に籠もってるナルシストの笑い上戸も、皆みんな迷惑なんだよ!」
「…何で誰彼構わず喧嘩売ってるんですか。売った喧嘩を一遍に買われたら、流石にあなた、跡形もなくなりますよ?」
「素直に褒めろって言えばいいのに、ホント面倒な年頃ね…。…若いってムカつくわ…」