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閑話休題?ーNARUTOー

第35章 海へ来たらば ー暁with黒の教団ー



「…イタチ…言い方…」

「しかし楽しげなビーチだな。俺たちの居た浜が陰ならこのビーチは陽…」

「そういやうちの陰キャどもは何処だ?」

「反対側の浜に居るんだろう。自然の摂理だ。太陰大極図を見れば明らかというもの」

「同じ生き物だよ?太陰大極図とか摂理とかまで持ち出して仕分けしなくてよくない?」

「陰キャは浜、陽キャはビーチ…」

「あー…、そう言われるとわかり易いなぁ…」

「青春の光と影…」

「…浜にもビーチにも陰陽関係なく青春を語るには図々しい年の連中が結構いるぞ」

「お前もその一員だ」

「…わかってるよ。いちいち言うなよ。ヤな感じだな」

「俺が眩しいか?」

「…何ソレ。別に?」

「俺は青春真っ只中だからな…。俺よ輝け」

「…ピエール瀧?また電気グルーヴか?」

「好きだ」

「だろうな。さっきから繰り出して来るもんな」

「夜はカラオケだな」

「カヒミ・カリィはもういいのか?十八番だろ?」

「一時封印だ」

「お前の趣味は訳が分からん」

「意外性は人生のスパイス」

「効き過ぎだ、お前のスパイスは」

「しかし最大のスパイスはロマンス…」

「…はい?サブイボ立ちましたけど今何ておっしゃいました?イタチさん?」

気味悪そうに二の腕を摩ったペインに、イタチがくいと顎をしゃくって見せた。

「…あら。あらあらあらァ…」

見れば声が聞こえる程度の距離に一組の男女が逸れている。




「乾杯」

ふたりの合わせた缶ビールが、冷たそうな雫を滴らせながらカチリと音を立てた。

「んんん〜!美味しいっ」

「美味いなぁ」

「贅沢ですねぇ、こんな時間」

「確かに」

黒髪を嫋やかに海風に靡かせた可愛らしい東洋系の女性と逆だった髪に無精髭ながら隠しようもないインテリジェンスの漂う男性が、揃って木目のベンチに腰掛けて空を見上げている。




「…おい。青春に年とか関係ないんじゃないのか?この光景の前じゃ真っ只中の筈のお前がまるで陰だぞ」

ペインがヒソヒソとイタチに言った。

「…フ」

言われたイタチは薄く笑って、一転キッとペインを見返す。

「陰中の陰のお前に言われたくない」

「…悪かったな」

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