第35章 海へ来たらば ー暁with黒の教団ー
「…行き過ぎた職人気質の持ち主かと思いきやただのマッドサイエンティストだったんですね、あなたは」
「いや、そこは飽くまで職人気質で理解して貰いてぇな。俺ァ科学は大嫌いだ」
「…嫌いなものが多くて難儀ですねぇ…」
「うるせぇな。バラされんのか、バラされねぇのか」
「バラされる訳ないでしょう。馬鹿な事聞かないで下さいよ。答えるのも面倒臭い…」
「いちいちムカつく物言いを…やっぱちょっと面貸せや、テメェ」
「返して下さいよ」
「…わざわざ返さなきゃねぇ面かよ?何なら海ィ潜って替えとって来いよ。似たような面して泳いでんのがいっぱいいんだろうが。あぁ?」
「さっきから面白くも何ともない事ばかり言ってますねえ。詰まらない事しか言えないなら黙ってたらどうです」
「…いよいよ面ァ貸せや、鮫」
「返して下さいよ?ハンサムなヒルコさん」
「……テメェ…」
「ところでイタチさんの姿が見えませんねぇ?ストーカー行為に勤しむ為にサスケくんのところへでも行きましたかね」
ぐるりと辺りを見回して、鬼鮫は浜の海面の照り返しに目を細めた。
「あの並外れたブラコンぶりで人に迷惑かけてなけりゃいいんですが…」