第35章 海へ来たらば ー暁with黒の教団ー
「ねえねえ、アニさん!USJン勤めてんなら、優待券とか手に入んないスかね!?行きたい行きたい行きたいー!!!!ねえねえねえねえぁだ…ッ!」
鬼鮫の袖を引いた藻裾をデイダラが引っ叩いた。
「バッカ、オメーがUSJなんか行ったら園内炎上してバックドラフト一色になるだろうが!休暇を楽しむ一般市民にどういう夏の元気なご挨拶をかます気だ!?通報すんぞ、うん!?いいから化け物は大人しく地元を流離ってろ!お盆まで墓場で待機してろ!何なら盆を待たずに成仏しやがれ!」
「…何だァ、いきなりふざけんなテメェ!ペインさんとこまでぶっ飛ばすぞゴラ!?化け物はオメーだドデンダラ!手に口なんかつけやがってまんま二口女房下手パクリじゃねぇか!お化け屋敷でバイトして消化不良起こして腰抜かすまでイカ焼き食ってろ、バーカ!」
「誰がお化け屋敷なんか行くか!この夏俺ァジブリ美術館に予約いれてんだ!いよいよシータに会いに行く事になってんだよ、ザマーミロ!」
「何だ、とうとう振られる覚悟が出来たのか?よく決心したな!行って来い!行って男を上げて来い!ごめんなさいされて来い!パズーに温ーくて優しーい目で見られて来い!………ふ…ふふ…は…ははッ、はははははははは!だーははははははははは!シータに振られて巨神兵にクキャって食われちまえよ!火薬の巨人を継承して貰え!いや、火薬の小人か?オメーチビだもんな!進撃の小人!主演ドデンダラ!この夏ジブリを揺るがすアトラクションになるかもよ?だはははは、いやー、見てェ!見てェけど予約制で簡単にゃ行けねぇのが残念だ!ああ残念だ!…ぶ…ッがははははははは!」
「………ホンット不愉快だよな、オメーてヤツはよ。うん」
「構やしねぇよ。こちとらオメーを愉快がらせる為に生きてんじゃねぇからな!…あれ?もしかして逆に不愉快がらせる為に生きんのなら満更じゃねぇかも…。あらら、大発見!どうする?人生の目的を見つけたってぇか、生き甲斐発見しちゃったかもよ、アタシ!」
「……止めろ。オメー俺の寿命をストローで飲みモン吸い上げる勢いで縮める気か?」
「え…?ヤダ、何ソレ、楽しそう…」
「止めろ!今この瞬間もう寿命が十年は縮まった!間違いなく縮まった!もう頼むから静かに休暇を楽しませろよ!うん!?」
「イカ焼きごときでギャーギャー大騒ぎしてたヤツが何抜かしやがる」