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閑話休題?ーNARUTOー

第33章 腹いっぱい



「それだけあなたに腹を立て慣れているという事ですね」

「…うん…?そういう事になりますかね?」

「……」

「溜め息吐かないで下さいよ」

「吐かないでいられませんよ」

「それは…すみませんね」

「すみまないではなく?」

「すみません」

「よろしい」

「…腹立ちますねえ…」

「そうですか。それはよかった。何よりです」

「で?干柿さんの欲しいものって何ですか?正直物凄く興味津々です」

「柳葉魚」

「は」

「柳葉魚で呑みませんか」

「それはハナからそのつもりだったので一向に構いませんが……柳葉魚が食べたかったんですか?誕生日に?」

「別に」

「?」

「本物の柳葉魚なんでしょうね」

「それは勿論。一応貴方の誕生を寿ぐ腹積もりで求めたものですから」

「樺太シシャモではなく?」

「ええ、まあ。とは言え樺太シシャモは樺太シシャモで美味しいんですよ。庶民の味方です」

「そうですね。嫌いじゃありません」

「何だ。じゃ張り込まなくても良かった訳ですね。その分樺太シシャモを山のように支度すれば…」

「…山のように食べる程好きだなんて誰も言ってませんよ」

「程々にお好きと、そういう事ですね。成る程」

「樺太シシャモの貧相さと薄情な味わいはあなたを彷彿とさせます」

「…貧相さと薄情な味わい?それは全く美味しそうじゃありませんね」

「蓼食う虫も好き好きで」

「でも山のようには召し上がりたくはない」

「貧相も薄情もあなたで腹いっぱいですからね」

「それは…可哀想に。もっといいもので腹を膨らませた方がいいですよ。貧相と薄情で腹がいっぱいなんてシェイクスピアの復讐物じゃあるまいし、下痢しますよ?」

「…やっぱり病原菌なんですかね、あなた」

「…もういいですよ、病原菌で。お酒、燗付けますか?」

「今日は暖かいですからね。冷やで結構」

「そうですね。随分暖かくなりました。春ですねえ」

「今日はゆっくり呑みましょう」

「いいですね。…で、何が欲しいんです?私で叶うものならば是非支度させて頂きます」

「要りませんよ。腹いっぱいです」

「おや珍しい。間食なさいましたか。じゃ、呑むのはもう少し後にしましょう…」

「そういう事じゃありません。…本当に欠けているというか鈍いというか…」

「失礼な」

「いちいち目くじら立てない」

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