第32章 裸祭り ー角都、飛段ー
「誰が謝るかよ!いや、もうオメーが俺に謝んなきゃねんじゃねえの?何時もの賞金稼ぎと違って寒ィわ楽しくねえわ、大体これでジャシン様に何を捧げろってのよ!?俺とオメーの褌姿!?怒られるわ殺されるわ!」
「気にするな。幸か不幸か簡単には死なない体質だ、お前も俺も」
「ヤだよ、怖ェじゃん。ジャシン様に怒られんのなんか。死ななくても殺されたかねぇしよ」
「ジャシンはお前の親か担任か。お前大体、痛いの辛いの大好きだろうが。この変態ゾンビ」
「ちっげーよ!人が痛がってんのを味わうのが好きなの!俺だけ苦しくても苦しいだけで詰まんねぇんだよ」
「…さぁ、そろそろ出発だ。行くぞ飛段。ここから山までこの格好で走るんだ。黙って苦しめ。いや、俺も苦しくはあるが、お前が俺の苦しみを味わえない事を思えば、乗り切るのも難しくはないだろう」
「えぇ?角都が横で苦しんでるだけで俺ァ充分楽しいぜぇ?」
「止めろ。ムカついて脈が乱れる」
「げはははは。ザマァみろ」
「笑うな。賽の目切りにするぞ」
「あー、味噌汁の豆腐みたいにか?なあ、俺ってそうなっても生きてっと思う?」
「死んでればいいなとは思う」
「またまたー」
「お前の股になど何の興味もない。興味どころか滅してしまえばいいと思っている」
「そのマタじゃねぇよクソじじィ」
「何にしろお前のどのマタにも興味はない。マタごと消え失せろとすら思っている」
「…しつこく俺のマタを消そうとしてねぇか?」
「ただ消えればいいなと思っているだけで、積極的にお前のマタに関わる気などさらさらない。それは俺の仕事じゃないからな」
「えぇ!?何ソレ、それ仕事にしてる気違いがいるっての!?待て待て待て待て、誰の事よ!?」
「ジャシンとかそこらへんだろ」
「バ…ッ、バカ!テメー俺の信仰心に揺さぶりかける気だな!?この悪魔め!!」
「…邪神は悪魔じゃないのか?なら他の何が悪魔なんだ?どうしようもなく悪魔だと思うぞ、お前のカミサマは」
「俺のジャシン様は邪神じゃねぇぞ」
「聞いてる分には邪神は邪神じゃないになってるんだぞ?まるで馬鹿の発言だ。いや、それで間違いはないが、どうしても違いを主張したいのであれば筆談にしておけ」
「紙と書くもの…」
「いや、俺に対しては全く必要ない。煩わしい気遣いは要らんから今後の参考にしておけ」