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閑話休題?ーNARUTOー

第4章 これで萎えない鬼鮫は凄いー鬼鮫ー


「どういたしまして」
薄掛けを肩にマントのように巻き付けて鞄から薬包を取り出す牡蠣殻を見、鬼鮫は目を細めた。
「毎に薬が必要とは、不便ですねえ・・・」
「・・・・いや、これはあなたの性癖のせいでしょうよ。改めて下さい。改めるべきです。色んなところでドン引きされてますよ、間違いなく」
「本気を出すとつい出てしまう悪い癖でしてねえ。よそではここまでやりませんよ」
「ああ、少なくともブラックリストに載るような愚は犯していない訳ですか。良識が働き者で良かったですね」
「最近はトンとお見限りですしね」
「それはそれは・・・お年ですかねえ・・・」
あちこちについた赤い歯形を情けない顔で眺めながら、牡蠣殻はお座なりに相槌を打つ。
「今まであなたのやる気の餌食になってきた女性に同情しますよ・・・女性らしい女性ならこんな奇病でも発症したような斑を全身につけられた日には、心がブラックジャックの顔面並みに傷つきますよ。ピノコのアッチョンブリケでも食らいやがれって話ですよ」
「そんな何人もいませんよ、本気を出した女性など・・・」
鬼鮫は感慨深げに考え込んだが、フと笑って顔を上げた。
「いや、ここまでの目に合わせたのはあなたしかいませんね。女性の、まして好もしい相手の体にそんな無体な事は出来ませんよ。良かったですねえ、あなたが初めての女ですよ」
「・・・・おいコラ、悪い癖はどこ行った?さらっと出鱈目抜かしてんじゃないですよ。しかも何だ、その人を人とも思わないような手前勝手な言い分は。やっぱり好きなんかじゃないんじゃないですか。謀りましたね」
「何でしょうねえ。あなた相手だと手加減とか丁重に扱うとか優しく接するとか、そういう配慮が微塵も出てこないんですよ。おかしいですねえ」
「同じ事を言うのでももう少し取り繕えないモンですかね。これでいて私だって傷つきますよ。殊に肌を合わせた後は」
牡蠣殻は雨に濡れた服がまだ湿っているのを確かめて顔をしかめた。
「もう絶対やりませんけどね。もう絶対やりません。ええ、やりませんとも!私は妖精になります!」
「・・・もう事に及んじゃってるんですから妖精は無理ですよ。素っ裸で何言ってるんですか、あなたは」
「あれ?」
「死んで化けて出るなら幽霊にはなれますね。お手伝いしますよ」
「・・・その手のお手伝いは反抗期前の可愛い子供並みに好きですよね、干柿さん」

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