第4章 これで萎えない鬼鮫は凄いー鬼鮫ー
「フ。ちょっとこっちに来なさい?」
「ハハハ、行きません」
「すっかりいつもの調子に戻りましたね。よろしい」
その並外れた身長に相応しい長い腕を伸ばして、鬼鮫は牡蠣殻の腕を捕った。
「待っていましたよ。デフォルトバージョンのあなたを見せて貰いましょうか」
ぐいと寝台に引き寄せて、倒れ込んできた牡蠣殻を受け止め、鬼鮫は口角を上げた。
「半ば正気ではないあなたを抱くだけでは満足出来ませんからね。いや、不本意と言いましょうか。ここからが本番です」
牡蠣殻を組み敷く力に容赦がない。
「・・・謀りましたね・・」
牡蠣殻は目をぎゅっと閉じた。眉間に深いシワが寄る。厭そうだ。
鬼鮫は苦笑してその瞼に口を寄せた。
「安心しなさい。優しくしますよ。まあ約束は出来ませんが」
「そういうフレーズがもう鬱陶しい。気持ち悪いと言っていい。痒い!」
「じゃ思う様乱暴にしますね。全力で」
「さっきのじゃ足りなかったんですか?止めて下さい。目合ってる最中に死ぬなんていくら私が間抜けとは言え、それはあんまりです。そんな目に合うくらいなら今死ぬ。すぐ死ぬ。あ、止めて、ホント止めて下さい。クソッ、重いんだよアンタは!チクショウ、止めろって!あ、ヤダヤダヤダ、触んないで下さいよ!!!うわッ、な、嘗めんな、バカッ、気持ち悪ィ!!!赤ん坊か、アンタは!!!あ・・・あ、すいません、痛かった?思わず手が出て・・・挫けろよ!!!そこはヘコんでよ、引いて下さいよ?痛い痛い痛い!手ェもげますから!止めて!もう殴りません、ごめんなさい・・・あ、あ、あ、・・・ちょ、離して下さい。手が痛い・・・信用出来ないって・・・痛いんだよ、泣くぞ。また泣くぞ。泣いてや・・・・あ、ありがとうございます。あ?萎える?望むところだ。ザマをみ・・・・あ、嘘です。あ、や、止めて、ホント止めて下さい・・・う・・・、く・・ッ、や、・・・や・・止めろっつってんだろォ!!!・・・アレ?大丈夫ですか?モロに入っちゃいました?いや、つい足が出ちゃって・・・ごめんなさい。あの、もうこんな感じで、多分ご期待には添えませんから、私。ホントごめんなさいね?・・・いやだから諦めろって!さっきやったっしょが。彼岸の私とやったでしょ?臨死体験したでしょ?いや、マジこっち来んな。は?失せたくても失せらんねえよ!!素っ裸で何処に失せろっての!?頓珍漢な事言うな!」