第30章 White November ーデイダラ、角都ー
「何でトリュフだと生意気なんだよ。板チョコなら謙虚になんのか?板チョコは謙虚なのか?ンな事ねぇだろ?うん?」
「いや、板チョコはリボンかけたら涙ぐましくなる」
「何だそりゃ。テメエ板チョコなめんな!板チョコなんかトリュフの元なんだかんな?ああ?」
「知ってるわ。オメェバレンタインに誰が作ってやったトリュフ食った?アタシだろ?」
「あー、ンな事もあったな。うん。……おいコラ。何で雪ン中にチョコ埋めんだよ。埋葬すんなら返せゴラ!」
「バッカ、オメェ、チョコは雪に埋めっとカリッてなってすンげー旨くなんだぞ?知らねぇのか?」
「ああ!それこそ板チョコとかな!わかるわかる。妙に旨くなンだ、アレ」
「な!明治のミルクチョコレート!アレ最高だよな!薄めでキリッとした板っぷりがますますパキッと光るんだよ、雪に埋めると!」
「バカ、オメェそこは不二家のルックイチ推しだろ!?色んな味があるしよ、袋ごと突っ込んでも濡れねぇし破れねぇし、何より旨ぇ。最強だな、うん」
「はぁ?あんなバラけたヤツァ板チョコじゃねえよ!?何言っちゃってんデスか!却下だ却下」
「ああ?板チョコだってどうせ割って食うだろ!?変わりねぇじゃねえかよ!」
「誰が割ってなんか食うか!噛んで折るんだよ、バキッとよ!それが醍醐味だろ!?」
「バッカテメエ、カリッとしたチョコとまったりクリーム状のチョコって粋なメリハリこそ最高の醍醐味だっつの!わっかんねぇヤツだな、うん!?」
「チョコはロッテのガーナ一択。敢えて次点をあげるならバッカス、補欠はダースのホワイトチョコだ」
「な…うわッ、角都!?何だよ、何の用…、おい、隣に来んなよ!あっち行け!びっくりすんじゃねぇか、うん?」
「うるさいぞ、デイダラ。お前があっち行け。久し振りだな、汐田藻裾」
「おはよーございます、長老」
「朝から雪チョコか」
「ハハハ、腹減っちゃって。他に何もないからダラッダラのチョコで我慢しようとしてたトコなんスよ」
「…ヤなら食うなよ。ホンット心から失礼なヤツだよな、テメエはよ」
「ふむ、デイダラのチョコ…」
「…何だ?変な目で見んな。年寄りは風邪引くとすぐ肺炎おこすんだからよ。さっさと中戻れ、角都」
「お前、前にチョコ菓子を作ってなかったか?確か三月の…」
「!!うっせぇな!ンな事してねぇよ!」