第23章 クリスマスにならない(ぐだぐだ)ー暁ー
「ガイガーカウンターを内蔵しているのか?そうか。…流石伊達に老いぼれていないな。安全対策は万全か。…俺も長らくサスケに内蔵させるべきかどうか悩んでいたが、霧の晴れた思いがする。すまん、老害。意気地のない俺の背を押してくれたな。早速改造手術の手配をしなければ…」
「…おい。誰かコイツに酒でも呑ませたか?酔ってもいないなら俺はもう何が何でもこの似非ゴルゴが黙るまで説教と体罰のコラボレーションで断固闘うつもりでいるが、どうなんだ?」
「お酒はこれから呑むんですよ。落ち着いて下さい、角都さん」
「呑む前から酔っ払うなんて、コストパフォーマンスいいスねぇ、イタチさんは」
「甘い物を食べ過ぎても酔ったようになるそうですよ。チョコとか?」
「辛いモンでもなるって言いますゼ?」
「はあ、しかしまあ、イタチさんの事ですからね、甘い物以外考えられないでしょう」
唐突に両手一杯の荷物を抱えた藻裾と牡蠣殻が角都の左右に陣取った。
「で、皆さんご予定の程は?お時間おありでしょうかね」
やれやれと卓の下に荷を置いて、牡蠣殻が角都の左の椅子を引く。
「なきゃねェでいンですよォ?ねえ、長老」
どんと卓の上に荷を置いて、藻裾が角都の右に腰掛ける。
「ダラダラは空いてるよな?DVDでオールナイトってたもんな、ロンリーマン?」
「う、うぅるせぇ!オイラ好きでそうすんだ!ほっとけよ!」
「うんうん、だいじょぶ。ちゃーんとオメェんとこにも来っからよ、ニホンカモシカに跨って唐草風呂敷背負った三太さんが。な!足袋吊るしたか?松の木に生姜男の煎餅はぶら下げたか?贈答品は頼んだか?やっぱ粘土か?それとも火薬か?今日は早く寝んだぞ?下駄を鳴らして三太が来るからな?」
「止めろバカ!何が来るんだよ!?何だよそれ!?オイラ知らねェヤツからのプレゼントなんか受け取んねェぞ、うん!?」
「何だオメェ、三太も知らねえのかよ。苦しみマスに三太がやって来んのはもう世界の常識だぞ?」
「オイラんとこだけ非常識なのが来ようとしてねえか、うん!?サンタクロースだろ、今日来んのは!誰だ、下駄っ履きの三太って!?」
「黒須三太をご存知ない?」
「あるかよ、そんなん!止めろ、何かおっかねえだろ!?得体の知れねェ親父に寝込みを襲われるなんて絶対ゴメンだからな、うん!?」