第1章 ~春~
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あれから何時間立っただろう
雨がいまだにザーザーと音をたてて降っている。
そんななか、
保健室は電気が消えていて不気味な雰囲気。
枕に顔をうずめて見るも、変わらない不気味さ
フーッと一息ついてから、カーテンをあけて保健室を出る。
ガラッ
「「…あ」」
そこにはオレの荷物を持った明日香の姿
「明日香、どうした?」
「あのっ、あの…
和くんの荷物持ってきたの。
皆帰っちゃったし、和くんHRも来なかったから…」
「おっ、さんきゅー」
パーカーを羽織って、リュックを背負う
「和くん、スッゴく雨降ってるしそろそろ帰ろ」
「うん」
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こうやって、オレを待っててくれて
一緒に帰ろうなんて言ってくれる明日香を誰にも渡したくなくて
でも掴めなくて。
ホント、
もどかしくてありゃしない