第1章 ~春~
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「にのちゃんも、あんな子諦めて
私とくっついちゃえばいいのに」
“そしたら何もかも終わるじゃない”
そんな先生の目はどこか楽しそうで
イジワルな目をしていた
「なあにいってんの、センセには潤君がいるじゃん」
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下がりそうになったメガネを指でピンと直し
“それもそうね”
って口元だけで笑う
「それにセンセ。
明日香を“あんな子“なんていったらダメでしょ」
「フッ、
あら、随分と惚れ込んでるのね。」
マグカップを覗きながら問いかける先生。
その顔は少し微妙な顔つきで
俺にはないような表情をしている
「まあね、ベタ惚れってとこかもね」
「へえ、にのちゃんがね~…
ま、好きにしたらいいわ。私にかかわることでもないみたいだし」
すっと席をたってどこかへ行ってしまった先生。
その残香は、甘酸っぱいにおいがした