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好きやから

第2章 第二章 成長


ちょうれいがおわった。

校長先生のはなしは、いつものとおり、ながかった…
ホンマ、ねむかった…

ちょうれいからかえるとき、たつときょうしつにかえろうとおもったら…
『まるやまくん、いっしょにかえろうや!』と、こえをかけられた。
さっき、りょーちゃんってゆう子のとなりにいた子や。
『あ、えっと…』
ぼくのうしろのせきの子なのに、なまえをわすれた…
『ああ、オレ、やすだしょうた。しょーちゃんってよんでや‼』
しょーちゃんが右手をさしだす。
ぼくは左手でしょーちゃんの手をにぎりしめた。

『ちがう、ちがう、手ぇつなぐんやなくて、あくしゅ‼』
『……………あ、そうか!』
あわてて右手を出しなおす。

しょーちゃんとむきあって、はじめてまじまじとかおを見た。
女の子みたいなかおやな…かみのけも女の子みたいにながいし。

『なぁ、ただ手ぇにぎっとらんと、まるやまくんのあだなおしえてや‼』

…ああ、ボーッとしょーちゃんのこと、見てしまった…
あわてて手をはなして
『ぼくは、まるやまりゅうへい、りゅーちゃん、ってよばれてます。よろしく。』
もういちど右手をさしだすと
『よろしゅう‼』
と、じだいげきの人みたいなあいさつをしながら、しょーちゃんが手をにぎりかえしてきた。

おもしろい子ぉやなぁ…
なかよくなれそうなきがする…

しょーちゃんとたのしく はなしながら、きょうしつにかえった。
たつのことをキョロキョロしながらさがしたけど、こうていには、もういなくなってた…
おこって、さきにひとりできょうしつにかえったのかな…
ふあんになった。





…そのころ、たつは…

『おい、おまえ!』
たつは、突然声をかけられていた。
『おまえ、さっきいっしょにさかあがりしてたヤツやな?おれ、にしきどりょう。りょーちゃん。よろしゅう‼』
いきなり勢いよく名のられた上、よろしゅう‼と右手を差し出してきた相手にビックリしながらも
『…オオクラタダヨシ…タツッテイウネン…ヨロシュウ…』
小さな声で何とか答えて、おそるおそる右手を差し出した。
『なに、ビビっとんねん?オレ、こわ(く)ないで‼いっしょにきょうしついこ‼』
そのまま、りょーちゃんに半ば強制的に教室に連行された。
(りゅーちゃん、ごめん、うらぎってもうた…)
たつは心の中で何度もりゅーちゃんに謝った。
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