第6章 『5, 三次試験 トリックタワー』
ジャラジャラ、、
虚しく床と擦れる鎖の音が響く。
鎖の先にはあのヒソカだ。
相手の気分次第で共闘どころの騒ぎでは無くなるのは明白。
今は下手に刺激しないでゴールを目指し、速やかにこの鎖を外さなくてはならない。
ヒソカ「元気ないね?♠︎」
ウィル「…。あんまり気分は上がらないので」
ヒソカ「おや、扉だよ♦︎」
ウィル「ほんとうだ。
...?ちょっと待って。」
(なんか嫌な気配するんだけど)
ヒソカ「そんなに警戒する程ではないかな❤︎」
ヒソカは私の直感を一蹴しさっさと扉を開けてしまった。
引き返すにも何処に向かえばいいかわからないのも事実なので溜息を吐きつつヒソカと共に扉の中へと足を踏み出した。
ウィル「ちょ、道狭いんだから早く進んでよ」
ヒソカ「此処までのようだね♠︎」
ウィル「え、嘘でしょ。」
私はヒソカの脇から私達の行手に壁がある事を確認した。
それからキョロキョロと周囲を見回したら私の顔の横あたりに少し色の違うタイルがある事に気がついた。
ウィル「これだけ違う。」
(多分これがスイッチだよね。罠じゃ無ければ進めるか)
ヒソカ「本当だね。気付かなかったよ♦︎」
そう言ってヒソカはタイルを押そうとしたが、私は急いでその腕を掴んだ。
ウィル「待って待って!!
他にもスイッチが無いか確認してからにしようよ!」
(こわっ!)
こんな狭いところで変な罠に嵌められたら回避するの絶対にメンドくさくなることを予期した私は必至になってヒソカの腕を引き止める。
ヒソカ「おや、大胆だね❤︎
ウィル」
ウィル「そうじゃない!!もうちょっと慎重に行こうよ」
ヒソカにも少しはわたしの訴えが通じたようで腕の力が抜けた事に気を抜き、息を吐いた。
ポチ
ガタン...
え...?
一瞬何があったか理解出来なかったが、ヒソカの顔に浮かぶ笑顔を見て私は悟った。