第6章 『5, 三次試験 トリックタワー』
私は鎖が伸び切った状態で振り返った。
ウィル「はぁ、何で動かないの?」
(たちの悪い子供か)
ヒソカ「クク、何でだろうね♠︎」
ウィル「......。取り敢えず進もうよ」
ため息をつきながら鎖を引っ張ったらヒソカはクスクス笑いながら歩いてきた。
気味が悪いことこの上ない。
それでも歩き出してくれたので良しとし、私もそれ以上は何も言うことなくついていった。
コツコツ...
コツコツ......
長いぞこの廊下。
ウィル「長くない?」
(もしかして同じところ回ってる?
...そういえばこのタワー円柱形だった)
ヒソカ「そうだね♣︎」
ウィル「何か見逃したかな...」
ヒソカ「そんなことないよ❤︎」
ウィル「何で?」
ヒソカ「ヒミツ♦︎」
と、にっこり笑うヒソカにムカつきはしたがここで騒いでも仕方がないと自分を押しとどめて歩き続けた。
ふとヒソカがこちらを振り返った。
ヒソカ「ねぇ、ウィルはなんでハンターを目指すんだい?♠︎」
ウィル「...。いきなり何?」
ヒソカ「ウィルの目的に興味がある♣︎」
ウィル「持ってもらわなくて結構だよ。」
一切の感情を読まれまいと私の心はスッと冷えていった。
ヒソカ「どうしたんだい?❤︎」
(へぇ、初めて見たよ)
ウィル「何が?」
(興味が動いた?)
問いかける私の質問に対してヒソカは自らの目に指を向けた。
まだ私はその真意に気づかない。
そして、ヒソカが一言発した。
ヒソカ「色♠︎」
私は咄嗟に動揺を隠す事ができず、右目を手で覆った。
ウィル「...ぁ。」
(っやられた!)
ヒソカ「そういうことか♣︎
君、サフランの人間だね」
ウィル「!?
...。はぁ、だからなに」
(一色見られただけでバレるなんて。
ピーコックアイのこと元々知ってるんだ。念を使えるってことは天眼石のことも知ってるんだろう)
私は大きなため息と共にしらを切ることを諦めた。