第6章 『5, 三次試験 トリックタワー』
ウィル「嘘でしょ、、」
(あぁ、、結局こうなる)
スイッチが押された瞬間私達の足元から床が遠ざかっていった。
ウィル「うわ!」
ヒソカ「おっと❤︎」
そして在ろう事か咄嗟とはいえヒソカの腕を掴んでしまった。
そしてそのまま反対の腕で腰を掴まれ抱き寄せられた。
ウィル「げ!!」
(さっき腕なんて掴まなければよかったぁぁぁ)
ヒソカ「クク、もっと可愛い声で鳴きなよ♠︎」
ヒソカの息が耳元に当たり私は全身鳥肌状態になった。
しかし、こんな狭い空間しかも落下中に私ができる抵抗なんてものはほとんどなかった。
たった数十秒だが私にとって凄まじく長い時間のように感じた。
ガラガラガラッ
砕けた瓦礫の上に私達は危なげなく着地した。
主にヒソカが。
抱き抱えられてる私は地面についたのを確認するやいなや足をバタつかせた。
ウィル「放して!!」
(ついたついた!!)
ヒソカ「クク、そんなに慌てなくてもいいじゃないか♦︎」
なんということでしょう。
ヒソカは私を離すどころか腕に力を更に込めてきた。
ウィル「うぐぅ...!」
(ウエスト細くなる!!!)
ヒソカは私を脇に挟んだまんま歩き出してしまった。
流石の私も苦しいし居心地悪いしで我慢の限界がきた。
ガスッ!!
ヒソカ「ッ!......痛いじゃないか?❤︎」
ウィル「歩ける!」
ヒソカ「釣れないな♠︎」
ウィル「釣られる気ない。
そもそも自分で歩く」
ヒソカ「なら、ウィルの足を無くしちゃえば釣れるかい?♦︎」
ウィル「...ぇ。それは辞めて」
(とんでもないこと言い出した)
ヒソカは私目掛けてトランプを2、3枚投げてきた。
腰に下げてたレイピアで全てはたき落した。本当に投げて来るとまでは思っていなかったので巫山戯んなよという思いを込めて睨んでやったらヒソカは怪しげな笑みを浮かべている。
ヒソカ「さすが❤︎」
(あぁ、こんなに美味しそうな果実が目の前にある。...まだ我慢だ。もっと熟すまで)
ウィル「悪ふざけにも程がある。」
私はスタスタと目の前に続く道を歩き出した。
ガシャン
何もない石造りの廊下で鉄が打つかる音がした。
そうだった、、手錠で繋がってるのを忘れてた。