第5章 『4. 飛行船』
ウィル「…私に何か用があるんじゃないんですか?」
(本気でトランプすることが目的じゃないでしょ…)
ヒソカ「クク、そんなに警戒するなよ。
傷付くじゃないか♧」
考えが読めないヒソカに対して私は無言のままカードをめくった。
ペラ…♢2
ペラ…♤1
私はめくったカードを元に戻した。
ヒソカ「名前は?」
ウィル「…え、ウィルですけど」
ヒソカ「歳は?」
ウィル「18」
(なんだこれ?)
私は戸惑いながらも答えた。
ヒソカ「君はどこ生まれだい?」
ウィル「…」
ヒソカ「流星街かい?」
ウィル「…は?」
(どこそれ)
ヒソカ「何系だい?」
ウィル「…敵に手の内みせるバカはいませんよ」
そういえばカードをあれ以来めくっていないことに気づいてカードを見れば残り4枚を残して全て表になっていた。
呆然としながら私は全てめくられて行くのを見ていた。
ヒソカ「僕の勝ちだね♡」
ウィル「え、一回しかめくってないんですけど…」
ヒソカ「僕も一回目だからね♤」
1順目で全部引かれたことに驚いたがこれでゲーム終わったなと思い私は立ち上がった。
ウィル「これで私は失礼します。」
(ふぅ、疲れた。…ゴン達でも探しに行こうかな)
ヒソカ「クク、ああ♢
暇になったら来なよ♡」
(ウィル…)
ウィル「来ません」
私はヒソカに背を向け、船内の廊下へ向かった。