第3章 『2. 詐欺師の塒』
ヒソカ「クク、逃げないのかい?♢」
(そうすると思ったよ)
ウィル「追いかけられたら逃げようと思ってたから」
(ホンマ、無駄にめんどくさいな)
そういいながらヒソカは歩いてこちらに向かってくる。
ここで、逃げたりしたらヒソカは他の人の方へと行くかもしれない。私はそれを避けたかった。
ウィル「…っ」
(ずっと笑ってるくせに威圧感半端ない…!)
ジリジリと距離を詰めてくるヒソカに対し私も下がる。
ヒソカ「そんなに警戒するなよ。♤
君を殺しはしない。君は合格だからね♡」
(まだ殺さないさ、こんなに育つのが楽しみな果実を)
と言いながらもヒソカは私へと間合いを一気に詰めてきた。
ウィル「っ!タクトっ!」
(やばっ!!)
そう言った私の手には先の尖ったレイピアが握られていた。
だが、普通のものとは違い、持ちてには水晶のような球体が付いており、剣先も細い。
それはまるで大きな指揮棒のような形。
水晶は深緑に染まっている。
ヒュン!
私はレイピアをヒソカと自分の間に構え突きを出した。
ヒソカ「…へぇ、それが君の能力か♡」
ウィル「…。」
(能力は使わないでいたいけどヒソカの言葉を信用するのは怖すぎる。)
ヒソカが先ほどよりも君悪い笑顔を湛え、こちらへとギラギラとした視線を向けてくる。
能力を隠す余裕なんてない!と切り替え発動しようとしたときだ。