第2章 再会
ガクリと崩れ落ちる少女の体を抱き止める。
細く、小さな体だ。
痛め付けられた身体と心。
その傷を癒さなければならない。
おそらく将来は同業者となるだろう彼女が、これから強く生きて行くために。
「おい、さっきの霊圧は何だ。どいつだ。」
彼女のこれからに思いを馳せる卯ノ花の頭上から威圧的な声がかかる。
「更木隊長……」
十一番隊隊長の更木剣八が腕に抱いた少女を見つけるとニヤリと笑った。
「そいつか?久し振りにいい殺気を感じたんだが、おもしれぇじゃねぇか。そいつ、俺の所に寄越せよ。」
「彼女は流魂街の住人です。渡す訳にはいきません。治療と状況確認が終われば流魂街に返します。」
「あの霊圧じゃ遅かれ早かれ死神になるんだろ。俺が鍛えてやる。寄越せ。」
「試験も受けていないのに、出来ません。」
「ちっ!……そんなもんどうとでもなるだろうが。」
「規則です。出来ません。」
卯ノ花の声に威圧的な色が滲む。
「……っう、わかったよ。」
卯ノ花を怒らせるのは本意ではないようで、更木はつまんねぇなぁと呟きながらも退散した。
少女を新しい部屋に休ませる。
彼女が次に目が覚めたときまた先程のように錯乱状態に陥るのではないだろうか、卯ノ花のそんな心配は杞憂に終わる。
目覚めた彼女は襲われた時の事を何も覚えていなかった。