第9章 罪人
「今日は、ここまでだ。」
苦しいくらい強い力で抱き締められた後、耳元で囁く声にすらときめく。
甘く優しい声。
膝からそっと下ろされて口許を拭われた。
髪を梳いて整えてくれる優しい指先。
チラリと見上げると見つめる目元が僅かに細められている。
本当にこの方は優しい……
「あの、任務お気をつけて……」
「誰に言っている。すぐに戻るから心配は無用だ。」
「はい。」
次の日、朽木隊長と阿散井副隊長は現世へ任務に向かい、その日のうちに罪人を捕縛して戻ってきた。
朽木隊長は義理の妹のルキアさんを、罪人として自ら投獄したのだ。