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狐神~キツネガミ~

第2章 ツノルオモイ


「…遅かった…!!」

家が燃えてまもなく、玲奈が駆けつけた。

「……よぉ狐巫女、遅かったじゃねぇの?」

「妖狐!!」

まるで宣戦布告とでも言うように優雨は玲奈の前に現れた。
玲奈は驚きの表情を隠せない。

「もしかしてこの人が狐巫女?」

「あぁ」

ふぅーん?というように翠月はまじまじと見つめる。
翠月は優雨とは違い、学校には行っていないため、玲奈の存在すら知らなかった。

「ここじゃあれだ、森の中行こう」

森の中へ向かう。
家はまだ燃えている。

「クスッ…これからよろしくね?狐巫女さん」

翠月のその言葉と同時に玲奈は、後ろのポケットに手を伸ばした。
その行為を優雨は、見逃さなかった。

「余計な真似するな。どうせ二人相手に一人じゃ勝てねぇだろ」

素早く後ろに回り込み、玲奈の首に自らの鋭いツメを突き立てる。

「……」

「消えろ。俺の前から今すぐに」

優雨の顔には先ほどまでの笑顔はなく、さらに真剣な表情へと変わっていった。

「……だから甘いのよ君は…」

「「っ!?」」

「さっさと私を殺せばよかったのに…」

その場に突如、大きな爆発が起きた。
周りのものは吹き飛び、木っ端みじんに砕けてしまっている。
しかしその中には二つの影が残っていた。

「へぇ?なかなかやるじゃない。この爆発でも死なないなんて」

玲奈は驚いたように口元に笑みを浮かべる。

「俺ら妖狐を舐めんなよ?」

「私達の九本の尾は物理攻撃を全て吸収する」

クスッと笑う玲奈だが、二人は構わず九本の尾の中の二本を使って玲奈を貫こうとしている。
玲奈は軽くかわしながら次の策を考える。

(さて…これからどうしようか…このままじゃ確実にやられる…)

「考えてる暇があるなら避けることに集中しなよ狐巫女!」

自らの尾を駆使しながらあざ笑う翠月。だが玲奈も負けじと自らの小刀で戦う。

「っらァっ!!!!!!」

優雨の尾が玲奈をなぎ払った。
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