第1章 キラワレモノ
「ねぇねぇ玲奈ちゃん!古神君と何話してたの?」
玲奈の友達と思われる女達が、玲奈の周りに集まった。
「そんなたいしたことじゃないよ」
「そっかー それにしても古神君、かっこいいよね〜」
いつの間にか会話は古神の話題へ
(そんなこと言っても私古神君殺さなきゃならないんだけど…)
なんて返していいかわからず、とりあえず玲奈は頷いた。
「凄くクールでさ、自己紹介きゅんってしちゃった♡」
「私も私も!」
「でも昨日お母さんにあの子にだけは絶対に関わっちゃだめだって言われちゃった」
「なんでだろうね」
女子には人気は高いらしい。
妖狐とはいえ、見た目は普通の青年なのだ。
なんだかんだで学校が終わった。
入学式の今日は午前中なため、帰りが早い。
(しかし狐巫女か…かなり厄介だな…)
狐巫女は妖狐の独特な匂いを感じることができる。
つまり優雨の行動は丸見えだという事だ。
「うぁああああ…妖狐だ!!妖狐がでたぁぁぁぁぁ!!!!」
叫び声が聞こえた。
「どうか…どうかお助けください…」
「…」
━俺は何もしていないのに━
「来るな…来るな来るな来るなぁ!!!!!!」
━ただ単に狐神の子として産まれてきただけなのに━
「あああああああああ」
一人の村人が、優雨に襲いかかった。
グサッ…
…あたりは血に染まった。
「……消えろ」
「ぐ…ぁ…」
優雨は懐からナイフをとりだし、村人に突き刺していた。
━大人は嫌いだ━