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狐神~キツネガミ~

第3章 ネムリギツネ


クスクス…

クスクス…



一方その頃、村ではいつも通りの日常が繰り広げられていた。

「えー?本当かよー?」

「本当だって!!俺見たもんまじで!!!!」

2人の青年が話している。

「そのキツネ白くてさ、2匹居たんだよ。んでそいつの尻尾がよ、9本あったんだよ2匹共!!」

必死に訴えかけるその青年は、嘘を言っているようには見えなかった。
昨日学校からの帰り道でのこと、草むらからガサガサと音が聞こえたのだという。
そして何かに吸い込まれるように、その音のする方へ足を進めていった。
するとそこには、尾が9本の2匹の白狐がいたのだという。

「てかよ、9本の尾の白ギツネってまさか…」

「「妖狐…?」」

2人はしばらく顔を見合わせた。そしてすぐに、ありえないと笑い始めた。

「……そのまさかだよ」

背筋が凍りつくような冷たい声が聞こえた。
青年2人は、驚きのあまり声が出ない。

「楽しそうな話してるね、私達も混ぜてよお兄さん達…」

そこには白い毛並みの9本の尾をもつ2人の妖狐が立っていた。

「安心しろ、お前達を殺したりはしない」

青年2人は腰が抜けてしまっている

「いくわよ優雨、こいつらにかまってる暇はないわ」

「だな」

そのまま2人は、消えるように去って行った。
その夜、妖狐が出たという話は村中に行き渡った。

「妖狐が出たって本当ですか狐巫女様!!!!」

狐神が祀られている屋敷で玲奈と村人は話し合いを始めていた。

「みたいね…」

村人は皆、どういうことだと混乱を隠せない。
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