【最俺&アブ】実況に手を出したら大変パニックなことになった。
第3章 人気者の苦痛
休日の朝。
というよりも朝4時に寝てしまった為起きたのは昼近くだ。
眠い目をこすり、息をするようにスマホを手に取る。
大体朝起きるとゲームやらSNSやらの通知が何かしら来ている私のスマホは、今日も元気に通知だらけであった。
「ああ…ゲームのイベント通知来てる・・・周回しなきゃ…あれ?ヒラからLINE来てる」
アプリの通知に紛れてヒラからLINEが来ていた。
『繭子ちゃんおはよう!もし今日暇だったら一緒に動画撮りませんか』
可愛いスタンプなんて添えてあざとさいっぱいのLINEに頬が緩んだ。ヒラからのコラボ動画のお誘いに喜ぶよりも先に、可愛いなあという感想が思わず口から出てしまう。
返事は勿論「喜んで」。既読のマークがついたのを確認すると、私は急いで身支度を整えて家を出た。
***
待ち合わせ場所は駅の改札だった。
休日ということもあり人が多く、この中でヒラを探せる自信はあまり無かったけれど、うろちょろキョロキョロと1人で忙しい挙動不審な人物が目についた為、すぐに見つけることが出来た。
「相変わらず不審者極まりないね」
「えぇっひどくない?!」
「帽子被ってるからって、そんな目立つ行動してたら周りからもヒラだってバレちゃうよ?」
「僕そんなに不審者だったかなあ・・・」
あれー?と首をかしげるその仕草も可愛い。これを計算でやってるわけじゃないんだから恐ろしい。
「で、どこで実況撮るの?」
「僕の家でいいかな?最俺ハウスって手もあったんだけど、今日はこーすけが何か撮るって言ってたと思うし」
「最俺ハウスか~一度行ってみたいかも」
なかなか広くて綺麗なとこだよ!と笑顔で説明するヒラにうんうん、と頷いていたが、はて、私は大事な事を忘れていないだろうか。
・・・あれ、まて。ヒラの家?
こ、これはフジ家の次に続いてヒラ家にお邪魔するんですか・・・?!
「さ、最近の私の日常を世間に知られたら凄いヘイト集めそう…」
「繭子ちゃんどしたのー?」
「なんでもない・・・」
少々青ざめつつも、もちろん嬉しい。
何かお菓子とか買って行こうというヒラの提案に近くのコンビニで軽く食べ物や飲み物を買うと、
私たちはヒラの家へと向かった。