【最俺&アブ】実況に手を出したら大変パニックなことになった。
第3章 人気者の苦痛
「ぴょこ太お前第一声それで返してくる普通?!」
「いま何時だと思ってんの?朝4時だよ???」
「いいじゃん起きてんだから」
「そういう問題じゃなくてさ」
「で、今何してんの」
こいつ譲らないな!
「いま生放送し終わったから寝る準備しようとしてたところ」
「普通だなあ~~~あ~~~普通すぎんなあ~~」
「さっきから何を言って・・・」
そこで私ははっとする。
いつもなら私の事は「繭子」と呼ぶはずだ。だけどさっき私の事をぴょこ太と呼んだ。
そしてこの突然の電話、突拍子の無い質問。
「…で、これはなんという企画の動画ですかね」
「気づかれてるう!」
スマホの向こうからギャハハハという笑い声が2つ響いた。
ひとつはキヨで、もうひとつは今気づかれてる事に反応したフジの声だった。
前に見たことがある。あの時はこーすけとキヨで突然メンバーに電話して何やってるか予想するという動画だった。
そして今回は私がターゲットの一人なのだろうと予想し、思わずこっちも笑った。
「だって、キヨが実況モードなんだもんwww」
「なんだよ実況モードって!!」
説明しよう、実況してない時のキヨは、こんなに元気ではないのだ。
それに納得したフジは「まあわかるよね!」と笑い、私に企画の説明をしてくれた。
「一応、これ友達に突然電話して、いま何やってるか予想するって企画なんだよね」
「はい、途中で気づきました・・・」
「で、俺の解答が『明日休みだし夜更かししようかどうか迷ってたら急に俺の動画を見たくなってフジチャンネルの動画漁ってた』でした!」
「長っ?!なんかごめんね?!」
途中から願望が入ってる気もするけど!
「で、わたくしキヨの解答。下ネタ出したらフジにガチめに怒られたので真面目に考えました。『キヨの写真をネットで漁ってファイルに保存してた』でした!」
「ツッコミどころは多いんだけどとりあえずフジありがとう」
「うん、これ普通にぴょこ太ちゃんにも視聴者にも怒られる奴だったからね」
最初何て答えたんだよキヨ。
動画投稿された時そこは全カットなのかピー音モザイクなのかが非常に気になる。
「という事で次はヒラに電話かけるわーまたな!」
「おつかれーw」
電話を切り、頬が緩む。
ほんと、楽しい人たちだ。