【最俺&アブ】実況に手を出したら大変パニックなことになった。
第3章 人気者の苦痛
私はどちらかと言えば我が道を行くタイプだ。
人に流されず、信念を貫きしぶとく生きていきたい。
だけど
「いい!!可愛い!!!ロリ!!!!!!」
最俺には、逆らえない呪いでもかかっているのかもしれない。
「…もう…帰っていいっすか…」
「駄目!あと10枚撮ったら次のコス行ってもらうから」
精神的ダメージを負っている私は今
フリフリふわふわなドレスに、ツインテールを施されている。
衣装のタイトルは「デビュタント・ボールのお嬢様」
なんだよそれ。
「ツインテールって効果絶大だよな…顔だけ見れば小学生って言ってもおかしくないぞ。でも勿体無いのが、ちょっとおっぱいが大き…」
ゴスッ
「どこ見てんですか」
すごい低い声でた。
「ちょ、今、思いっきり、みぞおち…」
「…ここまで楽しんでくれたんですから、次は私ですよね?」
「…え?」
こーすけさんが向けるカメラにそっと手を添えて。
私はきっと悪い笑みをこぼしていただろう。
「次はこーすけさんがお着替えする番ですよね?」
それはそれは、もう、にっこり、と。
***
そして数十分後
私はとんでもない魔物を生み出していた。
「あははははははははは!!!」
「爆笑してんじゃねーよ!!」
貸出の衣装ケースから選んだのは「マスカレードのマダム」というタイトル。
金髪のウィッグに濃い化粧、真っ赤なドレスを身にまとった
マダム・こーすけ。
「くっそwwwくっそwwwwww」
「ツボにハマってんじゃねえよwww」
最初こそ嫌がりはしたものの、流石エンターティナーこーすけさん。
ノリノリで楽しそうだ。
「ちょ、この写真wwwtwitterにwwwあげwwwてwwwいいwwwれすwwwかwwww」
「繭子、とりあえず落ち着こ???www」
想像以上に化物すぎてもう笑うしかない。
でも撮りたい。360℃視点で撮りたい。
これが怖いもの見たさという奴なのか。
「よし、じゃあ二人で仮面つけて2ショット撮ろう。これならtwitterうp出来る」
「いいですねそれ、私も腹括りましょう」
二人で仮面舞踏会用の仮面をつけ、姿形こそコミカルだけどカッコつけたポーズをする。
撮れた写真は爆笑ものだったけれど
またひとつ宝物が増えた気がした。