【最俺&アブ】実況に手を出したら大変パニックなことになった。
第3章 人気者の苦痛
急なLINEテロ、急な訪問、そして急なデート。
話を聞くと、どうやら自分だけ私と会う機会がなかったらしく…
「…こーすけさん、もしかして拗ねたんですか?」
「拗ねてねえよ!!」
商店街をぶらつきながらそう聞くと、こーすけさんは必死に否定した。
どうやら当たっているらしい。可愛いなこの人。
そう思ってるとだんだん笑いがこみ上げてきた。
「笑ってんじゃねーよ!違うって!!あーもう!」
「ごめんなさwwwだってほら、結構前にフジとバイオの実況やってたじゃないですか。その時リスナーさんにアドバイスもらったフジに対してヤキモチ妬いてたりしてたの思い出してwww」
「よく覚えてるなそんなこと!!え、そこまで見てくれてんの!?」
「見てますよー。たぶん、最俺の実況は殆ど見たんじゃないかなー。でもほんと、あの時のこーすけさん可愛くって、つい『こーすけ可愛い』ってコメントした記憶があります」
「なんかすごい恥ずかしいんだけど」
額に手をやって、こーすけさんは笑いながらも項垂れる。
「でも、拗ねるほど会いに来てくれたの、とても嬉しかったですよ」
こそ、と耳打ちするようにそう言うと、
こーすけさんが若干フリーズした。
「…今のはずるいわ」
「?」
拗ねてねえけどな!?と一言足すと、こーすけさんは私の手を引っ張る。
「わ!どこ行くんです?」
「俺すげえ良い事思いついた」
「うっわ絶対よくない事だ」
「まあ聞けって。お前にはロリの素質があることは言ってきたと思うが」
「聞いてませんしロリじゃないです」
「その素質を引き伸ばすべく俺は今あるところへ向かっている」
「そんなん引き伸ばしたくないです!!」
怖い怖い!帰る!帰して!そう叫びながらもずるずる引きずられる。
ロリコンのこーすけの異名は伊達じゃなかった。
その、ついた先は。
『コスプレスタジオ』
「さようなら」
「却下」
「いやあああ!コスプレとか無理!無理!似合わない!」
「似合うって!!保証する!!頼む!一生のお願い!俺のために立派な幼女になってくれ!」
「意味わかんねーよ!!」
抵抗むなしくも店の中に連れて行かれる。
満面笑みな店員と満面笑みなこーすけさんが受付を終わらせ
私は未知の世界を体験することとなったのであった。