【最俺&アブ】実況に手を出したら大変パニックなことになった。
第3章 人気者の苦痛
「っていうかお前らどんだけ粘土買ってんだ!!」
怒られた。
「フジがどの粘土がいいとか言わないからだよ~。ちなみに繭子ちゃんがGOサイン出しました」
「繭子ちゃん!?」
「フジだしいいかなって」
「超いい笑顔でキヨみたいなこと言わないで!?」
ずらりと並べられた粘土。
フジは「はあ」と肩を落としながらも笑ってる。
「それにしても、俺の部屋に繭子ちゃんが居るって新鮮すぎて…ああもう、なんていうか…」
「?」
「ほんと可愛いよね!!小動物みたい!!」
「フジ繭子ちゃんナンパしてる~」
「いやそうじゃなくて!」
そういうんじゃないんだよ!?と言い訳をしたフジは
ひとつ咳払いをすると再びくちを開く。
「絵も上手くて、トークも面白くて、ゲーム実況できて、おまけに可愛くて…神が二物以上のもの捧げてるんだけど、君一体何が出来ないの!?」
「そこまで誇張して言わなくても…私は平凡ですって」
褒めすぎだ。
流石にそれはナンパしてると言われても仕方ない。
「料理が出来ないとか?」
「それが出来るんですよ、ガサツそうに見えるとは思うけど、毎日お兄ちゃんのご飯作ったり…あ」
お兄ちゃん居る事言っちゃった。
いや別に隠してるわけじゃないからいいんだけど。
「アブ」だってことさえバレなければ。
「繭子ちゃんお兄さん居るんだ~!」
「しかも妹属性…だと!?どんだけ最強だよ!!」
最強て。
「そんな驚くことでもないでしょ、どこにでもいる平凡な変態だし」
「それ普通どこにもいないよ!?」
今日もフジのツッコミはキレッキレです。
「話を戻すけど、出来ない事は多いよ。絵は画力の壁にぶち当たることもあるし、ゲームはホラーとか苦手だし、生きてる中でも、世渡り下手だし」
「あー僕も僕もー。生きるの下手ってよく言われるー」
「お前は人生下手だもんな」
「ええっなにそれ~!」
ごめんねヒラ、何かフジの言うこと解る。
でも可愛いから大丈夫(何が)
「そいえばフジ、ホラーのDVD持ってたよね、折角繭子ちゃん居るんだし見よー!」
「…は?」
「うわ、繭子ちゃんめっちゃ目死んでる」
何が折角なのか解らないけど
超絶良い顔した二人に両肩を掴まれました。