第1章 傷心旅行
「良くないです!替えの服はありますか?」
男性は私を担ぎ上げ、おもむろに乗客車両へと向かう。
「部屋番号どこですか?」
「え、え、え、」
突然の出来事に脳内処理が追いつかない私は、いまだにこの状況を理解できない。
「ここですか?」
「は、はい!」
偶然にも男性がたどり着いた所が私の個室だったので、そこで彼は私を降ろした。
「早く脱いでください」
着色してしまったワンピースを脱ぐよう促される。
「洗うんで、早く!」
男性は腕まくりをして、洗面所に水を張った。
「ぬ、脱げってどういうこと…」