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【R18】夜行列車は逆ハー行き

第9章 貴方は元カレの




「えと…どういった?」

引きつったように笑う私に、彼ははにかむような表情をした。

「僕の兄をご存知ですか?」

くしゃっと笑う顔。

もともと大きくはない目がさらに潰れて、糸のよう。

つり上がった口角と白い歯。

頬にできた歪なえくぼ。


「え?」

そのお世辞にもイケメンとは言えない、ただ優しそうで、温和な青年。

年は私より下だろうか。


「ごめんなさい…」

顔を下に向け、彼の視界から外れる。

笑う声が、その喉元からくる声が、声質が

あいつとそっくりで、

全く似つかない顔なのに、

なんでだろ、どうしてだろ、

一瞬「あいつ」元カレに見えてしまったのは。



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