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【R18】夜行列車は逆ハー行き
第9章 貴方は元カレの
「…根津さん」
高質なソファセット。
その品格に負けず劣らず、背筋を正した根津さんの姿。
「…っ、」
私を見るなり、逃げるように去ってしまった。
…感じ悪いなぁ。
なんて、根津さんからしたら私は迷惑な乗客なのかもだけれど。
「あの…」
「え?は、はい⁉︎」
ふと声をかけられ、振り向く。
「兄の…えと、
川越夏海さんですよね?」
「…そうですが、何か?」
その声色は間違いなくさっきの彼。
元カレに嫌なほど酷似した声質。
「僕、貴女のこと知ってるんです。」
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